センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人
ようやく 涙を抑えて 葉月を離した俺に
「どうしてここに?」
葉月は 驚いた表情のまま 聞いた。
「それは 俺が聞きたいよ。」
俺は葉月を さっきまで 座っていたソファに 導く。
葉月に会えた 感動は まだ治まらなくて。
ここまで 来て良かった…
「昨日 葉月の事務所の 所長から 葉月が マレーシアにいるって聞いて。俺 そのまま 羽田に行って 深夜便に乗ったんだ。」
葉月の手を 握ったまま 俺が 説明すると
葉月は スッと笑顔を 見せてくれた。
俺は 感情が抑えられなくて
もう一度 葉月を 抱き締める。
「奏斗。部屋は取ったの?」
「まだ…」
「じゃ 私の部屋に泊まる?」
「いいの?」
葉月は ロビーの人目が 気になるようで。
俺は フロントで チェックインをして
葉月が 泊まっている部屋に 向かった。
部屋に入って 2人っきりになって。
俺は もう一度 葉月を 抱き締める。
「葉月…」
それ以外の言葉を 忘れたように
譫言のように 名前を 呼び続けて。
葉月の身体が 腕の中で 柔らかく崩れた時
俺は 堪えきれずに 葉月の唇に 触れた。