センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

俺は 葉月を 抱き締めながら 

許されていく感覚に 身体が震えた。


こんなに 葉月を 苦しめていたのに。

葉月は 俺を受け止め 許してくれた。


「ごめんな。葉月…もう離さない。ずっと…」

激しく泣きじゃくる 葉月の背中を抱いて

俺もまた 涙が溢れてくる。


なぁ 葉月… 

どうして俺は 最初に 打ち明けなかったのかな。


葉月を 信じられなかった わけじゃない…

葉月の前で カッコ付けたかったのかな。


カンナの本性を 見抜けなかったことは

俺の中で 想像以上の 傷になっていた。


だから カンナを 切れない 弱い男って 思われても

人を 見る目がないって 思われるよりは マシだった。


葉月は そんなことで 俺を判断しないのに。

今の俺を ちゃんと 見ていてくれるのに。


葉月… 本当に ゴメンな。


でも もう大丈夫だから。

帰ったら カンナに ちゃんと話して

二度と 会わないって 約束するよ。


葉月を 失ったら 俺は 一生 後悔する。


こんな所まで 1人で 来てしまうほど

大胆で 行動力のある 葉月が

これからの 俺には 絶対に 必要だから。






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