センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

葉月からは 電話もラインも なかったけど。


翌日 仕事で 外に出た俺は

葉月が働く 設計事務所に寄ってみた。


シュークリームの 差し入れを持って。


きっと 葉月は 少し ツンとして

でも 許してくれる。


そうしたら 夕食の 約束をしよう。


俺は まだ簡単に 考えていた…

葉月が そこまで 傷付いていたなんて

まったく 想像していなかった。


あんなに 嫌がっていたんだから。

考えれば わかることなのに…



「あれ。工藤さん…町田さん お休みだけど。一緒じゃないの?」

設計事務所に 俺が 入っていくと

事務員の 五月女さんが 驚いた顔をする。


「えっ?町田さん 休んでいるの?」

「ええ。今週いっぱい 休みだっていうから。てっきり 工藤さんと どこかへ行ったのかと 思っていたのに。」

「今週いっぱい 休みって?葉月が そう言ったの?」

「多分…私は 所長から 聞いたんだけど。」


俺の驚きに 五月女さんは 戸惑いを隠せない。 


「所長いる?」

「はい。」


葉月は どうしたんだ?

所長には 連絡してきたのか?

一週間も 休むって?


俺の頭は 不安で グルグル回っていた。





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