【web版】好きでいてもいいですか?-ひきこもり令嬢に購入された奴隷の話-(コミカライズタイトル:ひきこもり令嬢は購入した奴隷に溺愛される)
「お久しぶりですわね。イザベラ様、社交界にはお出ましにならないのだと伺っていましたが」
「……この度、兄の代わりを務めることになりましたので」
イザベラは表情も変えずに答えた。
「そちらは? 何度かお見掛けしたことがありますが、今のお名前は何というのかしら?」
仕掛けるようないやらしい顔で尋ねてくるメギツネに対して、イザベラはきょとんと瞬きをした。
嫌味がわかっていないのだ。
「ジャンですわ」
「社交界では有名な方でしてよ。愛の悪魔なんて呼ばれていましたが、……実際はどうなの? 離れられないほどお上手?」
メギツネが下卑た顔で笑う。
「私より詳しいのですね」
イザベラは裏もなくニッコリと笑い返した。
メギツネは、憎々し気にオレを睨みつけてドレスを翻した。