気がついたら好きだった
①迷い
相沢先生
「1058の方3番診察室へお入り下さい」
可愛らしい看護師さんが私の番号を呼んだ。
診察室の扉をノックして部屋に入ると
「こんにちは、久しぶりだね伊吹さん」
と、相沢先生が意地悪っぽく言った。
「お久しぶりです」
「で、今日はどうしたの?自分から来るなんて珍しい、雪でも降るのか?」
「相沢先生、今は7月です、そんな風に言ったら可哀想じゃないですか〜」
さっきの可愛らしい看護師さんがそう言った。
「薬がなくなったから来たんです、処方箋下さい」
「ちゃんと診察しないと出せないんだけど」
「じゃあ、早く診察して下さい」
「なら、正直に答えてね?最近いつ発作出たの?」
「昨日の夜」
「前来たのって2ヶ月前か...いつから喘息で始めてるの?薬がないって事は、昨日の夜以外にも絶対出てるよね?」
「えっと...」
「うん?正直にね、じゃないと出さないよ」
絶対怒るのが目に見えてるから本当のことは、言いたくなかった。
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