気がついたら好きだった
「あぁー、これ、見ちゃいましたか...」

「はい、すみません、見えちゃいました、体調悪いんですか?」

「今は大丈夫なんですけど、たまに発作がでるので、御守り代りに持ってるんです」

「そうだったんですか、でも、あんまり長居しない方が良さそうですね」

「えっ、あのー、出来たらもう少しここに居たいんですが駄目ですか?」

「いえ、そんな事はないですよ、でも...」
と、少し困った顔をして言ったので

「すみません、やっぱり帰りますね」
と、私は席を立った。

「あっ、ちょっと待って下さい、後で僕が責任を持って送るのでもう少しいて下さい」
予想外のことを言われ戸惑ってしまった。

「いや、でも悪いですし」

「いえ、もう少し凛さんとお話ししたいです、それに、凛さん自身もまだ、家に帰りたくないんじゃないですか?」

「えっ、あー、はい」

「じゃあ、座ってください」
そう言われ素直に座り直した。
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