気がついたら好きだった
「えーっと、あとは、自分の兄に酷いことを言ってしまって...」

「後悔してるんですね?」

「はい、言うつもりなかったんですけど、つい言っちゃって」

「それなら早く謝りに行きませんか?」

「えっ、でも」

「後悔してるんですよね?」
私は頷いた。

「もし、今大きな災害が起きて一生謝ることが出来なくなったら今よりもっと深く傷ついて、もっともっと後悔する事になりますよ」

「なんだか、極端ですね」

「この仕事してると、そういう思考になってしまうんです」
と、西音寺さんがまた笑顔でそう言った。
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