気がついたら好きだった

それから、30分経ち、点滴を外しながら

「あっ、そう言えばさっき俺の事、下の名前で呼ばなかった?」

「えっ?よんだっけ?」

「呼んだだろ?病院内で馴れ馴れしく呼ぶなよ、あと、敬語使えよ、医者と患者ってこと分かってる?」

「えっ」

「えって...」
少し呆れたように言われた。



自然と、涙がこみ上げる。

診察室からも、唯斗君からも早く逃げたくて、
ベッドから起き上がり出ようとすると、私の手首をガッと掴み、

「ちょっと待って、昨日の答え聞いてないんだけど?」
と、唯斗君は平然と聞いてきた。
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