気がついたら好きだった
「えっ?だって、そっちが敬語使えってさっき」
「あれは、病院内での話だって!今は違うだろ?」
「あーそーですか!気持ち悪くてすみませんね」
「何怒ってんの?凛?あっ、そういえば、診察室から出るとき涙目じゃなかった?」
「は?」
「は?って、さては、俺が言ったことに傷付いたんだろ?」
と、ニヤニヤしなが聞いて来た。
「傷付いてないし、理不尽過ぎて腹が立っただけだから」
「は?それはどういう意味かな?」
「自分は、診察室で凛って呼んだりするじゃん!」
「あー、俺は、誰も聞いてない時を狙って呼んでるからいいんだよ!」
「なっ、さっき私が呼んだ時だって2人っきりで誰も居なかったじゃん」
「いや、谷さんが近くに居た」
「えっ?」
「あの時、看護師の谷さんが扉の向こうに居て、何回か、盗み聞きしに来てた」
「うそ⁉︎」
「うそじゃない」
そのあと、あからさまに機嫌が悪くなり、何も話さないままタワーマンションに着いた。