気がついたら好きだった
次の日、
絢斗に
「おはよう」
と、挨拶しても、ムッスとしたままで、
「ねぇ、絢斗?」
と、呼んでも、無視された。

そんな私たちを見て、紗奈が、

「ケンカ?」
と、聞いてきたので、昼休みに相談する事にした。

昨日の事を小声で話すと、

「ふーん、絢斗かわいそう」
と言われてしまった。

「えっ、なんで、いやいや、おかしいでしょ?だって友だちだと思ってたのに...」

「は?おかしいのは、凛でしょ?友だちね...
絢斗って、結構モテるんだよ?大抵の女の子なら喜んで付き合うもんでしょ?それを...」

「へー、モテるんだー」

「えっ、何その言い方、絢斗って顔もそこそこ良いし、頭も良くて、まぁまぁ優しくて、
言う事ないでしょ?」
と、紗奈が、言うと、絢斗が会話に入ってきた。

「小野さん、なんかちょいちょい引っかかる部分があるんだけど...」

「あー、ごめん、でも、人によっては、イケメンって言われてるから」

「いや、だから、もう何も言うな」
そんなやり取りに私が思わず笑うと、絢斗の、機嫌がまた急に悪くなった。

「笑ってごめん」
と、謝ると

「許して欲しいなら今日凛の家行っていい?」
と、聞いてきた。

「うん、いいよ!」
私の代わりに紗奈が返事をした。
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