気がついたら好きだった
〜絢斗side〜
凛の家を出て、しばらく歩くと唯斗君の車とすれ違った。
振り返り、車の行方を見て、俺は走った。
唯斗君が車から降り俺に気づいた。
「うん?絢斗?
お前も、晩ご飯一緒に食べるの?」
「えっ?」
「うん?違うの?」
「食べないよ!
てか、俺、凛と付き合うことになったから!」
「へー、おめでとう」
そう、平然と言われ、無性に腹が立った。
「だがらさ、唯斗君、凛とのあの条件無くしてくれない?」
俺が、そう言うと、
俺の事をじーっと見ながら、
一歩ずつジリジリと駐車場の壁に追い詰め、
「えー、それは、無理なお願いだなぁ」
と、ふざけたように笑いながら言われた。
「理不尽すぎるだろ?俺の言う事は絶対とか...」
「ふーん、じゃあなに、絢斗君が凛の大学費だしてあげるの?」
と、馬鹿にしたように言われた。
俺は、なにも言い返えせなかった。
そんな俺を見て唯斗君は、言った。
「出せねぇだろ?
お前さ、大学費っていくらすると思ってんの?
無償で出してあげるほど、俺はお人好しじゃねぇんだよ」
そう言った唯斗君に対して俺は聞いた。
「でも、唯斗君はさ、凛が好きなんでしょ?」