気がついたら好きだった
本堂に入ると御線香の香りがした。

「御線香先にあげますか?」

「あっ、今日突発的に来てしまったので御線香持って来てないんです」

「そうだったんですか、良ければこちら使って下さい」

そう言って、御線香の入った箱を開けてくれた。

「すみません、ありがとうございます」

「では、お茶の準備をして来ますので」

私は、会釈をして、小さな声で

「すみません」
と、言った。

お母さんお父さんの位牌を探して御線香をあげた。
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