気がついたら好きだった
健兄に見せると、思った通りの反応が返ってきた。

「数学...必須なんだけど...知ってるよな?」

「うん、知ってる、66点でも、一応平均点は超えてるよ?」

「平均って、全クラスのだろ?凛のいる特進だけの平均だったらさ、70は取れる問題だろ?」

「......」

「このテストいつ返ってきたの?」

「1週間くらい前」

「じゃあ、解き直してるよね?」

「えっ、あー、うん….まぁ...」

ピー、ピー、ピー
洗濯機の音が鳴った。

「じゃあ、凛、自分の洗濯物を干して来て?
俺は、間違った問題を紙に写しといてあげるから!」
そう言って、私に、にこっと笑いかけた。

私は、洗濯機の前に行き、
洗濯物をカゴに移し、
リビングを通りベランダへ....
なるべくゆっくり、時間をかけて丁寧に干した。






「凛、干し終わったなら、早く中入んなよ?暑いんだし...」

「あー、うん...」

家の中に入り、カゴを戻している間に名案が浮かんだ。
< 96 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop