解体
「ゆう。これ。舐めて。片方ずつね。」
そう言って時雨が指に七味唐辛子と砂糖をつけた指を
ゆうくんに差し出した。
ゆうくんは首を傾げたあとに
七味唐辛子がついた指を舐めた。
特に表情は変わってない。なんで?
七味唐辛子だぞ?
そう思っていると
「ゆう。今のが『辛い』な。わかった?」
「.....。」(頷く)
「じゃあ。もう片方な。」
そう言ってさっきと同じように、差し出して
ゆうくんが舐めた。表情はやっぱり変わらない。
「ゆう。今のが『甘い』な。」
「.....。」(頷く)
「じゃあ。さっき飲んだのは、甘かった?」
そう聞けば、首を横にふった。
「いいこ。」
そう言ってゆうくんの頭を撫でて誉める時雨。
「あまくなかったってぇ。お酒だよ~。」
そう夕立が言えば睨まれるのはもちろん俺。
が。そのまま会話は進む。