解体
「......死んだの?」
「...ああ。心臓を撃った。死んでなきゃ困る。」
後ろで若たちが顔面蒼白で絶句している。
それは、突然だった。
俺たちが見届けていた組長のところまで
戻ろうとしたときだった。
遥が先に大広間に戻ろうとしたとき。
俺はまだゆうくんを見ていた。
倒れていたゆうくんは、起き上がった。
白いYシャツの心臓部分は紅く染まり、
口から血を流しているのに。
ゆうくん。否。それは動いた。
夜風で真っ白な髪をなびかして。
ゆうくんの影が揺らめいたと思えば、
影から無数の蔦《つた》のようなものが伸びた。