解体
「...っおれ。な、んで?いき、て。?」
遥に駆け寄れば、そんなことを呟いていた。
ゆうくんを見れば、
撃たれた部分に手を突っ込んでいた。
「...な、に。して...る、の。」
そう聞いたら、手を抜いて
『それ』を床に落とした。
『それ』は、遥がゆうくんに撃ち込んだ
銀色の鉛。弾丸だ。
紅く濡れた『それ』を取り出した
ゆうくんの心臓部分は抉れて穴が開いていた。
だがその穴は、誰も何もしていないのに、
勝手に塞がっていく。
まるで、何もなかったように。