解体
「時は満ちた。
この世界の寿命だ。
此れより、世界の解体を行う。
全ての魂を冥界へ。」
そうユウが言ったとき
ユウの影がいつかの蔦のように伸びたと思えば
人の形を成した。
その顔はユウと似ていた。
「レイ。冥府は頼んだ。
他世界のハデスを召集してくれてもかまわない。」
「端から、そのつもり。
先に行くよ。天界は?」
「大丈夫。ゼウスがオリュンポス12神を
召集して手伝ってもらうって。」
「わかった。
......冥府の原王が命ず。
アケロン(三途の川)を解放し、
魂の逆流はさせるな。
ディーテも開けろ。
すぐに、大量の魂が向かう。
魂回収に出る死神たちは
食屍鬼《グール》か鬼たちと行動しろ。
魂を回収し終えた肉体は、全て地獄へ。
共に行動する食屍鬼たちに持っていかせろ。
くれぐれも第9圏:コキュートスは開けるな。
いや...この際、ルシファーにも
手伝って貰おうかな......。...。......。」
そう言って、レイと呼ばれた、影から出てきた奴は
小言を言いながら、またユウの影に入っていった。