解体
エピローグ
「この世界は何年?」
「そんなに長くないよ。
5000年の寿命だね。」
「早かったな。...創りを間違えたか?」
「いや。5000年は長い方なんじゃない?
人類史は短いかもだけど。」
「そう。」
「次はどうするの?
また、他の世界に?」
「うん。」
「毎回毎回、何も知らない人間風でいる必要性は?
まあ、今回はそうじゃないみたいだけど。
あれは......人間が悪い。
記憶の傷を抉った。ココロに鍵を掛けたら
開けるの大変なんだからね。
そんな作り物で貰い物の『ココロ』っていう器と
『カンジョウ』っていう宝石を守るのには
鍵が必要だけどさ。」
「これは俺の大事な宝物。
『カンジョウ』も『ココロ』も
皆がくれた宝物。これが傷付くくらいなら
蓋をして鍵を掛けよう。」
「まあ。それはユウの自由だよ。
皆が待ってる。一度帰るだろう?」
「うん。帰ろう。」