解体
創造神には、心も感情もなかった。
遠い昔、創造神となる前の話
ユウの兄が死んだ。
その兄を生き返らせるために長い、
長い年月をたった一人で
兄の魂が冥府に行かないように
魔力を注ぎ続け、誰とも話さなかったユウは。
心も感情も無に帰した。
兄が生き返った時でさえ、
何の表情も示さなかった。
生き返った兄はそんなユウに言った。
『ユウは、俺のために頑張ってくれた。
でも、俺がいない間に、
俺よりお兄ちゃんになったな。
今度は僕が弟になって、
ユウとずっと一緒にいてあげる。
ユウが生き返らせてくれたんだ。
僕たちは一心同体。
ユウが死ねば僕も死ぬ。
僕が死んでも生き返る。
ほら?ずっと一緒でしょ?
それに、ユウの魔力が僕の中にいっぱいある。
これなら、ユウが思ってることも感じてることも
俺がわかってあげられる。
大丈夫。一緒にいるよ。』
それから彼らは離れたことがない。