解体
楼騎が嬉しそうに
「つ~かま~えたっ!」
そういっておそらく『ゆうくん』だと思われる
その少年の肩にしゃがんで手をおいた瞬間。
少年は俯いてさらに震え出した。
それをみた楼騎が
「なにこいつ。バイブみた~い」
そう笑ってるなか、俺が近付いて
それの顎を掴んで上を向かせると
さっき息を飲んだほど綺麗だった左右非対称の瞳は
絶望に満ちていた。
そのとき。
「なあ。......これ。...なに?」
そう楼騎がそれの首を触りながら言うから
俺もしゃがんで見てみると、
「......っ。...なんだ。これ。」
それの首には赤黒い痣が一周するようについていた。
ほかの部分に目をやると
足首と手首にも似たような痣があって
俺たちは何も言えなくなった。