夏のせいだよ
「私ね、昨日友達に告白されたの」
「…っ、は?」
全く予想もしてない発言に、思わず顔を上げる。
告白?
「誰に」
「クラスメイトの、伊吹くん」
頭の中に、爽やかな笑顔の男子が思い浮かぶ。
手に汗がにじみ、唇が乾く。
それを誤魔化そうと、舌で唇を舐めるけど、
効果はなし。
こいつは、この話を俺に聞かせて、どうしたいんだ。
「湫…」
「お前さ、なんか勘違いしてね?」
我慢ならずに、思わず強い口調で言ってしまう。