溺愛は蜜夜に始まる～御曹司と仮初め情欲婚～
クリスマス企画の参考になればと諒太の妻がフランスからわざわざ取り寄せてくれたのだ。

「味も見た目も抜群だな」

梨乃は大きさも色も味も様々なチョコレートをじっくりと眺めた。

「この味だったらラズベリーのピューレにも合いそうなんだけど……それにパフェとかチョコレートケーキを並べるとなると……」

梨乃は思いついたようにソファの上に置かれていたタブレットを抱えた。

「会場の広さがこれくらいで……できればキレイな花をたくさん飾りたいし」

梨乃はイラストが描けるアプリを呼び出すと、一心にペンを走らせた。
見た目の魅力も味も抜群のチョコレートを目の前にし、アイデアがどんどん浮かんでくる。

「チョコレートタワーは外せないよね……ルビーチョコのタワーってできるのかな。いいや、描いちゃえ」

画面には黒とピンクのチョコレートタワーをはじめ、パフェやケーキ、ムースなどが次々と加わっていく。
今回力を借りるショコラティエの来日も迫っていてそれまでにこちらの要望をまとめておく必要がある。
一生に一度あるかないかの素晴らしい機会だ、後悔のないように少しくらい欲張って、素敵な作品を作ってもらおう。
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