溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
「梨乃が仕事に手を抜かないとは聞いていたけど、楽しそうでなにより。チョコレートもおいしかったなら尚更よかったよ」
「はい、それはもう口の中に幸せが広がっていくようなおいしさで。侑斗さんも食べませんか? どれもおいしそうですよ」
「梨乃のおすすめはどれだ?」
梨乃の腰に手を回し侑斗はふたりの頬を近づけた。
「あの、おすすめは……」
突然抱き寄せられ、梨乃は慌てた。
なにもこれが初めてではないというのに、侑斗の体温に触れるといつも落ち着きを失ってしまう。
「これ、これがおいしそうですよ」
梨乃はトクトク跳ねる鼓動をごまかすように箱からキューブ型の小さなチョコレートを手に取った。
「ビターチョコみたいですけど、きっとおいしいですよ」
「ん、ありがとう」
侑斗は梨乃の手を掴み、直接チョコレートを口にした。
瞬きもせず上目遣いでゆっくりと。
まるで梨乃の戸惑いを楽しむように……梨乃の指先に残ったチョコレートも舌でキレイになめ取った。
「ゆ、侑斗さん……」
色気が滲む目で見上げられ、梨乃は言葉を失った。
掴まれたままの手をどうしていいのかもわからない。
「はい、それはもう口の中に幸せが広がっていくようなおいしさで。侑斗さんも食べませんか? どれもおいしそうですよ」
「梨乃のおすすめはどれだ?」
梨乃の腰に手を回し侑斗はふたりの頬を近づけた。
「あの、おすすめは……」
突然抱き寄せられ、梨乃は慌てた。
なにもこれが初めてではないというのに、侑斗の体温に触れるといつも落ち着きを失ってしまう。
「これ、これがおいしそうですよ」
梨乃はトクトク跳ねる鼓動をごまかすように箱からキューブ型の小さなチョコレートを手に取った。
「ビターチョコみたいですけど、きっとおいしいですよ」
「ん、ありがとう」
侑斗は梨乃の手を掴み、直接チョコレートを口にした。
瞬きもせず上目遣いでゆっくりと。
まるで梨乃の戸惑いを楽しむように……梨乃の指先に残ったチョコレートも舌でキレイになめ取った。
「ゆ、侑斗さん……」
色気が滲む目で見上げられ、梨乃は言葉を失った。
掴まれたままの手をどうしていいのかもわからない。