溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
「どうした? ほかに行きたい店があればつきあうけど?」
声音に期待を含ませ優しく笑いかける侑斗に、梨乃は首を横に振った。
「今日はこのまま帰って体を休めてください。昨日、澄子さんが大ぶりのエビを持ってきてくださったので今晩は侑斗さんが大好きなエビフライにします。楽しみにしていてください」
侑斗の実家から週に一度やってくる家政婦が補充する食材はどれも高価で梨乃が初めて目にするものも多い。
肉や魚も産地から直送された高級食材が多く、野菜も農家と直接契約して作ってもらっているものがほとんどだ。
「あ……。もし時間があれば寄りたいお店があるんです」
信号待ちをしていた大きなスクランブル交差点で、梨乃は思い出したようにつぶやいた。
「時間なら大丈夫だ。この辺りには世界中のブランドの店があるからなんでも揃うぞ。洋服ならこの先に贔屓にしてる店があるし、靴だったら今来た道を少し戻れば梨乃が気に入りそうな店がある。……で、なにが欲しいんだ? バッグか? だったらーー」
「いえ、違います。ブランドなんてとんでもない」
何故かうれしそうに話し始めた侑斗の言葉を、梨乃は慌てて遮った。
声音に期待を含ませ優しく笑いかける侑斗に、梨乃は首を横に振った。
「今日はこのまま帰って体を休めてください。昨日、澄子さんが大ぶりのエビを持ってきてくださったので今晩は侑斗さんが大好きなエビフライにします。楽しみにしていてください」
侑斗の実家から週に一度やってくる家政婦が補充する食材はどれも高価で梨乃が初めて目にするものも多い。
肉や魚も産地から直送された高級食材が多く、野菜も農家と直接契約して作ってもらっているものがほとんどだ。
「あ……。もし時間があれば寄りたいお店があるんです」
信号待ちをしていた大きなスクランブル交差点で、梨乃は思い出したようにつぶやいた。
「時間なら大丈夫だ。この辺りには世界中のブランドの店があるからなんでも揃うぞ。洋服ならこの先に贔屓にしてる店があるし、靴だったら今来た道を少し戻れば梨乃が気に入りそうな店がある。……で、なにが欲しいんだ? バッグか? だったらーー」
「いえ、違います。ブランドなんてとんでもない」
何故かうれしそうに話し始めた侑斗の言葉を、梨乃は慌てて遮った。