溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
長く喘息に苦しむ母親の姿を見ていた影響で医師を目指すようになった翔矢の頑張りを、梨乃は傍らで応援してきた。
年明けから始まる入試に向けてここは自分も頑張らなければと、ボーナスの残りを頭の中で計算した。
梨乃は大学卒業後、国内外の要人たちの利用も多い高級ホテル「白石ホテル」の営業企画部で働いている。
入社6年目を迎え任される内容も多岐にわたり、仕事にやりがいを感じている。
季節ごとのイベントやフェアを企画するのが梨乃の主な仕事で、今は十二月に予定している『チョコレートづくしのティータイム』と銘打った企画のリーダーとして忙しい毎日を送っている。
今日も企画の目玉である限定チョコについての会議が長引き、昼食もとれなかった。
「チョコレートに熱くなりすぎた。遅れちゃう」
梨乃はバッグを肩にかけ直し、小走りで従業員専用出入口のドアを開けた。
翔矢の三者面談が午後からあるのだが、時間に間に合うかどうかギリギリで急いでいるのだ。
通路を足早に歩きながら翔矢にメッセージを入れておこうとかばんからスマホを取り出した。
そのとき。
「きゃあっ」
突然なにかにぶつかり全身に強い衝撃を受けた。
年明けから始まる入試に向けてここは自分も頑張らなければと、ボーナスの残りを頭の中で計算した。
梨乃は大学卒業後、国内外の要人たちの利用も多い高級ホテル「白石ホテル」の営業企画部で働いている。
入社6年目を迎え任される内容も多岐にわたり、仕事にやりがいを感じている。
季節ごとのイベントやフェアを企画するのが梨乃の主な仕事で、今は十二月に予定している『チョコレートづくしのティータイム』と銘打った企画のリーダーとして忙しい毎日を送っている。
今日も企画の目玉である限定チョコについての会議が長引き、昼食もとれなかった。
「チョコレートに熱くなりすぎた。遅れちゃう」
梨乃はバッグを肩にかけ直し、小走りで従業員専用出入口のドアを開けた。
翔矢の三者面談が午後からあるのだが、時間に間に合うかどうかギリギリで急いでいるのだ。
通路を足早に歩きながら翔矢にメッセージを入れておこうとかばんからスマホを取り出した。
そのとき。
「きゃあっ」
突然なにかにぶつかり全身に強い衝撃を受けた。