強引な無気力男子と女王子
第二章
学校
月曜日。
日葵にしつこく問い詰められ、私は土曜日のことを渋々話した。
「‥‥‥と言う事があった。それだけ」
あまり興味を持たれないように冷めた口調で淡々と喋る。
チラッと日葵を見ると、日葵はやけにキラキラした目でこっちを見ている。
「‥‥‥何?」
「いやー、だってさー!親友が有名になるのって何か嬉しいじゃん!Reoもやっぱり見る目あるんだね!」
さらり、と日葵の口からでた親友という文字に気恥ずかしくなる。
「やっぱり学校の皆にもバレたりするかな?」
「当たり前だよ!Reoはすごく有名だもん!」
ああ、女子にまた騒がれると思うと溜め息が出そう。
「さらにさらに女王子が有名になりますなぁー?」
ニヤニヤと笑いながらこっちを見てくる日葵に「気持ち悪い」と短く言い、額を小突く。
「ひどーい!」
ブーブー文句を言う日葵を尻目に、移動教室の準備をする。
「他の人には内緒ね?」
「うん!私と真紘だけの秘密!」
無邪気に笑う日葵を見ていると、この子と親友で良かったな、という気持ちが迫り上がってくる。
調子に乗るから本人の前では絶対言わないけど。
人ごみに紛れて次の教室の化学室まで移動する。
日葵と話していたおかげでもうあんまり時間がない。
自然と足が速くなる。
「ちょっと真紘、待ってよー」
日葵は私よりも背が低い。
一歩の大きさも違う。
日葵はトコトコ歩いてる。
「あ、そっかごめん」
そう言って歩く速度を落とした時。
「「「「キャーーーーー!!!」」」」
廊下の向こうから黄色い声が上がった。
思わず耳をふさぐ。
「あれ、瀬戸悠理なんじゃない?」
「えぇ‥‥‥」
日葵から有名だとは聞いていたけど、ここまでとは。
大変だろうなあ‥‥‥。
少し同情しなくもない。
徐々に奇声を上げている集団はこっちに近づいてくる。
それにつれて顔の輪郭がはっきりとしてくる。
やはり女子の輪の中心に立っているのは土曜日にも見た瀬戸悠理だ。
相変わらず眠たそう。
ただ、この前とは違って眠たそうの中に迷惑そうな表情を浮かべている。
周りの女子はそんな瀬戸悠理に気づいているのかなんなのか、まだ奇声を上げている。
明らかに迷惑をかけている。
「やっぱりモテるねぇ‥‥‥」
「ちょっとごめん日葵」
日葵の声に被せて言う。
そしてそのままズンズンと瀬戸悠理の方に歩く。
ふと振り返ると日葵は私の意図に気がついたのか、バイバイと手を振ると化学室の方に再び歩き出した。
よかった、怒ってはなさそうだ。
くるっと回れ右をして、私も一団に向かって歩き出す。
「すみません、通して下さい」
一番外側で叫んでる女に声を掛ける。
女は「何よ?」と言いながら嫌そうに振り向く。
しかし、それが私だと気づくと表情を一変させた。
日葵にしつこく問い詰められ、私は土曜日のことを渋々話した。
「‥‥‥と言う事があった。それだけ」
あまり興味を持たれないように冷めた口調で淡々と喋る。
チラッと日葵を見ると、日葵はやけにキラキラした目でこっちを見ている。
「‥‥‥何?」
「いやー、だってさー!親友が有名になるのって何か嬉しいじゃん!Reoもやっぱり見る目あるんだね!」
さらり、と日葵の口からでた親友という文字に気恥ずかしくなる。
「やっぱり学校の皆にもバレたりするかな?」
「当たり前だよ!Reoはすごく有名だもん!」
ああ、女子にまた騒がれると思うと溜め息が出そう。
「さらにさらに女王子が有名になりますなぁー?」
ニヤニヤと笑いながらこっちを見てくる日葵に「気持ち悪い」と短く言い、額を小突く。
「ひどーい!」
ブーブー文句を言う日葵を尻目に、移動教室の準備をする。
「他の人には内緒ね?」
「うん!私と真紘だけの秘密!」
無邪気に笑う日葵を見ていると、この子と親友で良かったな、という気持ちが迫り上がってくる。
調子に乗るから本人の前では絶対言わないけど。
人ごみに紛れて次の教室の化学室まで移動する。
日葵と話していたおかげでもうあんまり時間がない。
自然と足が速くなる。
「ちょっと真紘、待ってよー」
日葵は私よりも背が低い。
一歩の大きさも違う。
日葵はトコトコ歩いてる。
「あ、そっかごめん」
そう言って歩く速度を落とした時。
「「「「キャーーーーー!!!」」」」
廊下の向こうから黄色い声が上がった。
思わず耳をふさぐ。
「あれ、瀬戸悠理なんじゃない?」
「えぇ‥‥‥」
日葵から有名だとは聞いていたけど、ここまでとは。
大変だろうなあ‥‥‥。
少し同情しなくもない。
徐々に奇声を上げている集団はこっちに近づいてくる。
それにつれて顔の輪郭がはっきりとしてくる。
やはり女子の輪の中心に立っているのは土曜日にも見た瀬戸悠理だ。
相変わらず眠たそう。
ただ、この前とは違って眠たそうの中に迷惑そうな表情を浮かべている。
周りの女子はそんな瀬戸悠理に気づいているのかなんなのか、まだ奇声を上げている。
明らかに迷惑をかけている。
「やっぱりモテるねぇ‥‥‥」
「ちょっとごめん日葵」
日葵の声に被せて言う。
そしてそのままズンズンと瀬戸悠理の方に歩く。
ふと振り返ると日葵は私の意図に気がついたのか、バイバイと手を振ると化学室の方に再び歩き出した。
よかった、怒ってはなさそうだ。
くるっと回れ右をして、私も一団に向かって歩き出す。
「すみません、通して下さい」
一番外側で叫んでる女に声を掛ける。
女は「何よ?」と言いながら嫌そうに振り向く。
しかし、それが私だと気づくと表情を一変させた。