ONLY YOU~過ちの授かり婚~
「千歳さんの言ったコトは水に流せっ」

部屋に戻り、ネクタイを締める純也さんがそう吐き捨てた。

「でも…私達は・・・本気で結婚するなら、夫婦としても…」

「妊娠中の君に求めるつもりはない。貧血で気を失うようなカラダだ・・・今はお腹の子のコト一番に考えればいい。余計なコトは考えるな。乃彩」

「でも・・・」

「俺がいいって言ってんだ…」

純也さんは強い口調で返し、デスクにあったノートパソコンを閉じて、パソコンケースに仕舞った。

「純也さん…」

「…ゴメン…俺は急ぐ…」

純也さんは逃げるようにして部屋を出て行った。

今、求められても、彼の欲望を満足させる自信はない。
かと言って、このまま何もなく、出産まで曖昧にしていい問題でもない。






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