ONLY YOU~過ちの授かり婚~
彼は大手メガバンク『帝和銀行』赤坂支店の融資担当勤務の銀行マン。
秘密裡だけど、『帝和銀行』は我が会社の大口融資先なので、何かと彼から情報を拝借していた。
私達はいつも待ち合わせしている銀座のフレンチレストランで待ち合わせ。
私の方が先に来て、予約席の椅子に腰を下ろしてスマートフォンを覗き、彼からのラインメッセージを読んだ。
『仕事で少し遅れる』と書かれ
ラインのブラウンが『ゴメンなさい』と謝罪するスタンプ付きだった。
私は既読して『了解。待ってます』と素早く返信。
それから十五分後。
彼は額に汗を滲ませ、走り込んで来た。
「すまない。乃彩」
息を切らせながら、ネクタイのノットを緩め、椅子に腰を下ろした。
そして、足許のカゴにビジネスバックを置いた。
「資料作りに手間取ってしまって…」
彼とのデートは一ヵ月振り。
私も父と共に金策に駆け回っていた。
我が社の取引先支店は『帝和銀行』池袋支店。
徹さんの勤める支店ではないのが幸いだった。
彼の居る支店であれば、融資担当である徹さんに親子共々頭を下げてなくてはならない。
そんな情けない姿を彼には見られたくない。
秘密裡だけど、『帝和銀行』は我が会社の大口融資先なので、何かと彼から情報を拝借していた。
私達はいつも待ち合わせしている銀座のフレンチレストランで待ち合わせ。
私の方が先に来て、予約席の椅子に腰を下ろしてスマートフォンを覗き、彼からのラインメッセージを読んだ。
『仕事で少し遅れる』と書かれ
ラインのブラウンが『ゴメンなさい』と謝罪するスタンプ付きだった。
私は既読して『了解。待ってます』と素早く返信。
それから十五分後。
彼は額に汗を滲ませ、走り込んで来た。
「すまない。乃彩」
息を切らせながら、ネクタイのノットを緩め、椅子に腰を下ろした。
そして、足許のカゴにビジネスバックを置いた。
「資料作りに手間取ってしまって…」
彼とのデートは一ヵ月振り。
私も父と共に金策に駆け回っていた。
我が社の取引先支店は『帝和銀行』池袋支店。
徹さんの勤める支店ではないのが幸いだった。
彼の居る支店であれば、融資担当である徹さんに親子共々頭を下げてなくてはならない。
そんな情けない姿を彼には見られたくない。