ONLY YOU～過ちの授かり婚～

俺はいつかこの日記を公の場所で公表し、父に復讐してやろうと思っていた。

そして、叔父は頭取を務める『帝和銀行』に入行。
俺は伊集院家に近づこうと必死に仕事に励んで、キャリアを積んだが、復讐する相手である父は突然、癌でこの世を去ってしまった。


同時に俺は生きる目的を失ってしまった・・・


父が亡くなり、三年の月日が流れるーーー・・・


順調にキャリアを積んだ俺は本店勤務となった。

突然、朝一番に頭取室に呼び出された。

「失礼します」

頭取室の重厚な扉をノックして入るとそこには、頭取職を辞任して、ドバイに行った前・伊集院敦司頭取が居た。

「君が芝田純也か・・・」

「はい・・・」

「君のコトは知っている。父の長年、愛人だった女性の息子らしいな」
バリトンの声を響かせ、敦司頭取は俺を切れ長の目でジッと見つめた。

四兄弟の中でも頭脳明晰で、人望も厚い人。
彼が父に続き、総理の椅子に近い息子だと感じていた。


「そうですか・・・」