ONLY YOU~過ちの授かり婚~
女は特にタチが悪い。
色気とカラダで迫り、男の本能を煽る。

俺は頭取に就任して二年の月日が流れた。
俺に頭取職を譲ったが、叔父は副頭取の椅子に座り続ける。
本店の力は副頭取派の力が強く、頭取である俺に何かと干渉し、口を挟んだ。

「このコーヒー飲んだら帰るよ。純也」

「あぁ」

壬生功佑は俺の唯一の味方。
彼は学生時代の同級生で、帝和に同期で入行し、配属先も同じ蒲田支店だったコトもあり、公私と共に仲が良かった。

俺が本店勤務となり、そして頭取に就任。
その後は、俺の力で彼を本店に異動させ、「臨店」に配属。

「池袋支店の山田支店長の悪事を暴けば、少しは副頭取の力が弱まるかもしれないぞ。純也」

「そっか…」


俺の力の強くするには副頭取派の人間の悪事を暴き、左遷させるしかない。

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