ONLY YOU~過ちの授かり婚~
柔らかそうなフワフワした少し茶色かかった長い髪。
小さな顔に鼻筋の通った思わずキスしたくなるようなプクッとした肉厚の唇。

品のある雰囲気からして何処かの令嬢だと察した。
一人で入って来て、スツールに座り佇む彼女に自然と興味が湧く。

久しぶりに感じる他人への興。
彼女も俺と視線を合わせる。

何気に始まった会話。

彼女は赤の他人の俺に別れを告げられた交際相手の話をして来た。
誰かに訊いて欲しかったんだろう・・・

その話はやけに現実的だった。
しかも…男は「帝和銀行」の銀行員だと言う。

彼女は純粋にその男を愛していた・・・






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