年下男子にご注意を!
「はいはい。そんな邪険(じゃけん)に扱わなくても、もう帰るよ。じゃ、神楽さんもまた学校で」


楽しそうに笑いながら離れていく先輩。

どんどん靴音が小さくなっていく。


「…ねぇ、ミコちゃん…」


辺りが再び静寂を取り戻した頃、和泉くんが口を開いた。

離してくれる気はないみたいで

ずっとあたしの肩に顎を乗せたまま。


「…何?」


「あいつのこと……諦めなよ」


ずっと胸の奥に刺さっている、丸太のような(くい)をねじ込まれるような

そんな感覚がして、息ができなくなりそうだった。
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