年下男子にご注意を!
「ね、ミコちゃん」


あたしの顔の両側に手をつく。

完全に閉じ込められてしまった。


「和泉くん…。ここ図――…」


唇を(ふさ)がれ、『図書館』という言葉は

最後まで言わせてもらえなかった。


「声、出したら気付かれちゃうかもね」


「――っ…」


耳元で囁かれ

何も持っていない方の手で反射的に和泉くんの服を掴む。

耳の奥で心臓がドクドク鳴っているのが伝わってきた。
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