年下男子にご注意を!
今顔を上げたら、皆があたしを見ているんだ。


そう思うと体から血の気が引いていく。

言葉も続かず

目の前のテーブルを見つめて固まっていると

あたしの手の中からマイクがスッと抜き取られた。

抜き取った手の方を見上げると

さっき口パクで何かを伝えようとしてくれた子だった。


「えーっと、倉本(くらもと)和泉(いずみ)です。代理で来たんですが、面倒になったんで帰ります。お疲れ様っした!」


え?


シーンと静まり返る中

ゴトンと音を響かせマイクをテーブルに置くと

勢いよく立ち上がった。
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