Smiling!!
「もうすぐ夏休みだよな〜。隆也は何して過ごす?」

「……読書」

「ずっと?」

「ずっと」

淡々と答える隆也に「寂しいぞ〜!!」と遊星はまるで酔っ払いのように絡む。隆也はそれを無視してスマホをいじり始めた。

「もっと外出ようぜ、せっかくの夏なんだから!夏祭りとか、プールとか、色々あるだろ〜?」

「人多いの、嫌いなんで」

「冷たいなぁ〜。遊星、泣いちゃう」

シクシクエンエンと遊星がふざけた泣き真似をすると、隆也が「……何やってんの」とスマホから顔を上げる。しかし、その顔はどこか笑いを堪えているようだ。

「隆也ももっと遊ぼうぜ〜?せっかく新しいゲームも買ったことだし〜」

「……何のゲーム買ったの?」

「バイオハザード!やっぱ夏だしホラーっしょ!」

そうなんだ、と隆也は答えるがその目はどこか興味を持っているようだ。遊星は笑いながら言う。

「俺の友達来てない時だったらいつでもいいからさ。暗くなっちゃう時こそ、友達とパァッと盛り上がった方がいいでしょ?」
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