罰ゲームから始まる恋
翼side
梢がのろのろと立ち上がり、ふらつきながら教室を出て行き、漸く教室内の重たい空気が和らいだ。
「相変わらずえげつねえな。女のいじめってのは。」
「葛西んとこの虐めはいつもいつも容赦ねえからな。」
「なら、お前が助けてやれよ。正義のヒーローみたいにさ。」
「無理無理!あいつら相手にするなんて怖ろしすぎるだろ!」
うるさい。
梢がいなくなり、クラスでも目立ったグループの男子生徒達は口々に好き放題言い合った。
翼は眉を顰めた。
下らない…。
蓮歌たちはクラス内でもスクールカースト上位の立ち位置にいる女子達だ。
今時のギャルな女子高校生の蓮歌達は気が強く、男子相手でも簡単に言い負かしてしまう気性の激しさ。
非道な数々の虐めを目の当たりにした周りの奴らは怖気づいて、蓮歌達に歯向かおうとは思わなかった。
あそこまで虐めをしているにも関わらず問題にならないのはここが有名な進学校であり、悪評がたたないように揉み消されている事や蓮歌たちの家がそれなりの金持ちであることが原因だ。そんな背景もある為、あの女への虐めは誰も止めようとしない。
「あそこまでやることはないのにな。須藤さん、可哀想。」
「けど、我慢強いよな。普通、女子だったら心折れて学校来なくなりそうなのに。野宮君もそう思わない?」
「…別にあんなの、よくある事だろ。」
地味な男子生徒グループの一人が同意を求めた。
興味なさそうに答えると、
「それは、ちょっと冷たすぎるんじゃないか?」
と非難の声を上げた。
だったら、お前はどうなんだよ。と思いつつ、口では当たり障りない事を言う。
「学校にはいじめなんて日常的によくある。いじめがない学校何て聞いたことがない。」
「それはそうだけどさあ…。」
ガタリ、と立ち上がり、歩き出す。どこ行くんだ?と聞いてくる友人に
「喉乾いた。」
と言って教室を出て行った。
梢がのろのろと立ち上がり、ふらつきながら教室を出て行き、漸く教室内の重たい空気が和らいだ。
「相変わらずえげつねえな。女のいじめってのは。」
「葛西んとこの虐めはいつもいつも容赦ねえからな。」
「なら、お前が助けてやれよ。正義のヒーローみたいにさ。」
「無理無理!あいつら相手にするなんて怖ろしすぎるだろ!」
うるさい。
梢がいなくなり、クラスでも目立ったグループの男子生徒達は口々に好き放題言い合った。
翼は眉を顰めた。
下らない…。
蓮歌たちはクラス内でもスクールカースト上位の立ち位置にいる女子達だ。
今時のギャルな女子高校生の蓮歌達は気が強く、男子相手でも簡単に言い負かしてしまう気性の激しさ。
非道な数々の虐めを目の当たりにした周りの奴らは怖気づいて、蓮歌達に歯向かおうとは思わなかった。
あそこまで虐めをしているにも関わらず問題にならないのはここが有名な進学校であり、悪評がたたないように揉み消されている事や蓮歌たちの家がそれなりの金持ちであることが原因だ。そんな背景もある為、あの女への虐めは誰も止めようとしない。
「あそこまでやることはないのにな。須藤さん、可哀想。」
「けど、我慢強いよな。普通、女子だったら心折れて学校来なくなりそうなのに。野宮君もそう思わない?」
「…別にあんなの、よくある事だろ。」
地味な男子生徒グループの一人が同意を求めた。
興味なさそうに答えると、
「それは、ちょっと冷たすぎるんじゃないか?」
と非難の声を上げた。
だったら、お前はどうなんだよ。と思いつつ、口では当たり障りない事を言う。
「学校にはいじめなんて日常的によくある。いじめがない学校何て聞いたことがない。」
「それはそうだけどさあ…。」
ガタリ、と立ち上がり、歩き出す。どこ行くんだ?と聞いてくる友人に
「喉乾いた。」
と言って教室を出て行った。