復讐ブラッド
ジュリアの家は学校から近い。そのため、いつもチャイムが鳴るギリギリに登校している。

「……ん？」

校舎に一歩入った刹那、ジュリアは足を止める。校舎内がいつもより静まり返っていた。まるで何者かから隠れるように……。

「おはよう、ジュリア」

冷たい声にびくりとジュリアは肩を震わせる。振り返るといつからそこに立っていたのか、メアリがニコニコと笑っている。

「メアリ！？どうしてこんなところに……。ッ！？」

メアリの体を集中して見た時、ジュリアはさらに体を震わせた。メアリの体には赤いものが飛び散っている。独特な鉄の臭いを放つそれが血だと気付くのに時間はかからなかった。

「ああ、これ素敵でしょ？真っ白な服が赤くなっていく。綺麗よね〜！」

そうとろける目をして笑うメアリの手には、巨大なナイフが握られている。そのナイフには誰かの血痕が大量に付着していた。

「それ、一体誰の……」

小さく呟くジュリアに、「知りたい？」とメアリは言ってジュリアに手を掴む。そしてジュリアたちのクラスに向かって歩き出した。
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