意味がわかると怖い話/逆さのサカ子さん
旧校舎の古びた扉を開けると、カビ臭い風がぷんと鼻についた。


旧校舎の建物は半分以上が木造で、もう何十年も前に建てられたものだからとてもボロい。


歴史があるとか何とかでたまに偉い人が調査に来ているけど、生徒である私たちにとってはボロい以外の何でもない。


そういうわけだから授業で使われることもあまりなくて、美術や技術などの副教科で使われる教室以外は物置同然のひどい有様だった。


ガラス窓から覗く積み上げられたダンボールを横目に見ながら、3階へと階段を上がっていく。
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