意味がわかると怖い話/逆さのサカ子さん

美術室と書いたプレートは、3階端の教室にひっそりと掲げられていた。


中に入るとここだけは綺麗で、プロジェクターや新型のクーラーなど目新しいものも目立つ。


それらの前を通りすぎ、窓際に並べられた塑像の1つを私は手に取った。


題名は「生首」。その名の通り人間の生首を模した像だ。


授業で作った私の作品なんだけれど、今見ると何だかリアル感が足りない気がする。


例えば首の切り口のところとか。


よっぽど鋭利な刃物で切っても、ここまで綺麗な切り口にはならない。本物はもっと、痛々しくて残酷だ。