青い瞳
「はぁ…上手く…巻けた…かな…」
ブランコに乗って荒れた息をととのえる。
静まりかえった公園。
飛行機の音だけが聞こえ、夕日に照らされ滑り台がキラキラと輝いている。
「よくこのミニスカで全力疾走出来たな」
もしかしたらパンツ見えてたかも。
「ふふ。あはははは」
なんかおかしくて笑った。
心からこんなに笑ったのって、凄く久しぶり。
気持ちいいな。
トントン。
誰かに肩を叩かれたので慌てて振り返る。
人差し指がほっぺに当たった。
「お前、足速いな」
と、息切れもしないで笑う。
「和哉…どうしてここに…」
「どうして…ってぇ…お前を追いかけて来たんだろうが!」
「あっ!」
そうだった。いつの間にか勝負みたいになってたけど、卒アルのことで逃げてたんだった。
逃げようと立った私は和哉にすかさず腕を捕まれた。
「もう、逃がさねぇよ」
「は…離してよ!」
本当はずっとこのままでいたいと思った。時間が止まればいいと。
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