青い瞳
「今日一緒に帰れるから」
「え?和哉部活は?」
「今日はなし!だからなんか食ってこうぜっ」
和哉は野球部に所属。
ほとんど部活があって一緒に帰れないので、一緒に帰れると嬉しい。
「ラブラブだね~羨ましい!」
「ちょっ実結!茶化さないでよ」
私は逃げる実結を追っかける。
「…よく、こんな騒がしい子と付き合う気になれたね」
「村上は相変わらず毒舌だなぁっ…まぁ、それがいいんだよ」
「物好きね」
「ちょっとぉ何密談してるのよ!和哉!?」
「してねぇよ!」
そう言って私の鼻をつまむ。
くそう…絶対に聞き出してやる!
私達はこの学校公認の結構有名なカップル。
昼休みに階段でキスしてたのがきっかけ。
恐ろしく情報が回るのが早い!変な事は出来ないなぁ。
「ねぇ!愛っ華恋、一緒にバイトしない?」
「え?どこで?」
「駅前の焼き鳥屋さ~ん」
確かにお金は欲しい。
金欠の私は美味しい話だ。
「時給850円だよ♪ね?面接だけでも行こうよ」
「うん、やってみたい!」
「私は忙しいからパス」
「あ、彼氏?」
「まぁ、そんなとこ」
華恋は大学生の彼氏がいる。
休日と放課後にしか会えないらしい。
「じゃあ二人で行こう」
「うん!」
「マジか?お前が入ったら店赤字だろ!」
「失礼な…!」
口を尖らせ和哉の腕をつねる。
「私はそこで素敵な出会いがあれば文句なし!二人とも彼氏いるし、私も彼氏欲しい」
「実結ならすぐ出来るよ♪」
「…お前…他の変な男にホイホイついてくなよ?」
「えー和哉よりいい人なら考えるかなぁ♪」
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