君は麦わら帽子が似合わない。

「わかった。このTシャツは私が着るから、一緒にアイスを買いに行こう。譲歩できるのはそこまでだよ」
「なんで君はそんなに偉そうなの?」

たしかに夏休みの朝っぱらからアポなしに突然押し掛けたのは、失礼だったと思う。けれど、日直が当たる日にわざと休んで私が一人ぼっちで仕事させられたのは、司くんが悪いと思う。

「日直の日、司くん休んだ。お陰様で、40人分のノートは一人で回収するわ、放課後担任の手伝いさせられるわ、二学期の初めにある大イベントの修学旅行のしおり作成をさせられるわ……大変だった!!」
「……」

あー、大変だったなあ。と訴えてみせれば、司くんは黙り込んでしまった。悪いと思っているのか、それとも子供みたいに文句垂れる私に呆れたのか。その表情は浮かない様子で、どちらとも取れるようなものだった。
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