神様にも祝詞 かみさまにものりと

「リト、好きだよ…」


耳元でジンの声がした



ドキドキ…ドキドキ…ドキドキ…


ドキドキ…ドキドキ…



「リト、聞こえた?」



「うん…」



「じゃあ、なんか言えよ!」



「うん…

嬉しい…

私、ずっと好きだったんだよ…ジンが…」



ドキ…ドキ…ドキ…



「オマエ、もっと早く言えよ!」



「え、だって…」



「オレもずっと好きだったわ!
リトのこと…」



「え!じゃあ、もしかして…
ずっと、両思いだった?」



「たぶん…

だって、オレ…
オマエが初恋だもん…」



「ウソ!」



「神様は、ウソつきません」



「ホント?」



「うん…ホント

初恋は実らないって言ったのダレだよ!」



「ジン、だよ…」



「そっか…

だって、リトに中学の時
好きな人いるか聞いたら
いるけど
その人は私のこと好きじゃないから…
って言ったろ!

だから、オレじゃないんだ…って思った

だってオレ
リトが好きだったから…

その時
やっぱ、初恋って実らないんだ…って
オレ失恋したんだけど!」



「だってジン
私のこと絶対好きじゃなさそうだったもん!」



「そんなの、言わなきゃわかんないよ
神様だって言わなきゃわかんないんだよ

今、言ったら、かなっただろ」



「うん、かなった」



「じゃあ、オレもかなった」



ふたりで笑った





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