きっともう恋じゃない。


三宅さんは就職。

新見くんはまだ考えてないと大胆不敵に笑ってみせる。

考え中でもなく、考えていない、の発言には三宅さんも目を見張っていた。


「みんなはどうか、わからないんだけど……」


おずおずと切り出すと、三人の視線が一斉に集まる。


「わたし、達ってたぶん、別の学校の子よりもずっと人と関わる時間が少ないよね」


もちろん個々に理由は様々だろうけど、少なくともわたしは、通信制って学校からさらに自宅学習に重きを置いてここに通ってる。

少なからず、そういう理由に似通ったものを持っている子たちがいるのだと思う。


「こわくない?」


胸に消えずにいた不安をわかってくれる人はいる。

でも、周りには一人としてわたしと同じような経歴の子がいない。

学校って場所でしか得ることのできないものに触れられるのは、今しかない気がした。


「いや、べつに? 俺はバイトしてるし。レポートと課題の量にヒーヒー言うくらいならそこらの全日制の高校に行っときゃよかったなってたまに思う」

「おまえは特殊なんだよ」

「なんだ特殊って。まあでも、結局出席日数足りなかったし、頭も悪かったからここしかなかったんだけどな」


矢澤くんは新見くんを特殊だと言ったけど、わたしはそうは感じなかった。

自分と正反対の人間はどこにだっているもので、事情が幅広くあることだけはわかってる。

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