きっともう恋じゃない。
三宅さんとは少しだけメッセージのやり取りが続いてる。
レポートや課題について、これまで誰かに相談したことなんてなかったから、教え合うのは楽しい。
通話を繋いで一晩レポートを書いた日は朝になっても眠れなかったくらい。
試験対策はお互いに個々で進めた方が捗るって意見が合致して、ここ数日は話していないけど。
まおちゃんからも連絡はないし、わたしが何か送ることもない。
試験勉強のこと、最近の学校でのこと、色々と聞きたいことはある。
今がとても大切な時期だから、それはまおちゃんにとってもわたしにとってもそうだとわかってる。
最後のやり取りを何度も読み返しては鼓舞して勉強に励みながらも、どこか集中できずにいた。
薫がベッドに放った携帯を机の脇に置いて、苦手科目の復習を済ませる。
範囲がそこまで広くないこともあって、スクーリング以前から少しずつ進めていた。
試験自体は好きじゃないけど、手応えがあったときの、あのグッと拳を握りたくような気分は嫌いじゃない。
そのために試験勉強には抜かりないのだと言ったら、薫は思いきり顔をしかめていたっけ。
今、たぶんそういうときの薫と同じ顔をしている。
折れたシャー芯で綴った文字の歪さがやたらと気になった。