貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「さっき晴明様がそう言っていて驚いたわ。そんなことってできるの?」
紅華もそうだったが、後宮妃になることは自分の意思で決定できるものでもない。政治の力に大きく左右される世界なので、それは皇帝においてもそうなのだと紅華は思っていた。
「はい。ただ、今までの後宮とあまりにもありようが違う話なので、いまだ議会では賛成を得られておりません。ですので、すでに次の妃嬪を、という話もでているようでございますが、それを知ってもおそらく陛下は了承しないでしょう」
「そうなの……」
だから、皇太子時代の晴明には今まで妃が誰もいなかったのかと、紅華は理解した。
もともと後宮とは、皇帝の血筋を残すために何人何十人もの寵姫を抱える場所だ。そこに一人だけ、とは、晴明も思い切ったものだ。
そう思うと同時に、晴明らしいな、と紅華は思う。紅華に対して、これから親しくなっていきたいと誠実に言った彼なら、何十人もの美妃を抱えて寵を競わせるより、一人だけを大事に愛していく方がずっと似合う。
紅華もそうだったが、後宮妃になることは自分の意思で決定できるものでもない。政治の力に大きく左右される世界なので、それは皇帝においてもそうなのだと紅華は思っていた。
「はい。ただ、今までの後宮とあまりにもありようが違う話なので、いまだ議会では賛成を得られておりません。ですので、すでに次の妃嬪を、という話もでているようでございますが、それを知ってもおそらく陛下は了承しないでしょう」
「そうなの……」
だから、皇太子時代の晴明には今まで妃が誰もいなかったのかと、紅華は理解した。
もともと後宮とは、皇帝の血筋を残すために何人何十人もの寵姫を抱える場所だ。そこに一人だけ、とは、晴明も思い切ったものだ。
そう思うと同時に、晴明らしいな、と紅華は思う。紅華に対して、これから親しくなっていきたいと誠実に言った彼なら、何十人もの美妃を抱えて寵を競わせるより、一人だけを大事に愛していく方がずっと似合う。