貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「まあ待てよ。せっかく来てくれたんだから、茶につきあえ」

 軽く伸びをしながら、天明が立ち上がる。よほど長い間、座ったままだったのだろう。


「でも、こんな夜更けにあまり長い間男の方と二人でいるのは」

「私はあなたの夫ですよ? 何を遠慮することがありますか?」

 爽やかな晴明の笑顔で言われて、思わず紅華は吹き出してしまう。


「そんなこと言われたら、断れないじゃないですか」

「笑ったね」

「え?」

 きょとんと見返した紅華に、天明は目を細めた。

「俺の前でそんな風に笑ってくれるのは、初めてだ」

「そ、そうですか?」

「ああ。普段もかわいいが、笑うとさらに可愛さが増す」

「は?! あ、あの……!」

 紅華は動揺して言葉が出なくなる。とたんに、天明も声をあげて笑った。

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