貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「俺の母親は、由緒ある貴族の出身で、貴妃の位を与えられて後宮に入った。その時すでに後宮には数人の妃嬪がいたそうだが、気位の高い母はその妃たちを見下した。ろくに挨拶もしない態度に、妃たちの間での評判は悪かったらしい」
どこか淡々と、天明は話し続けた。
後宮に入ってすぐに身ごもった貴妃は、有頂天になった。彼女が身ごもったのは、陛下の初めての子だったのだ。そのことがさらに、他の妃嬪に勝ったという優越感を彼女にもらたらした。誰もが、彼女が貴妃から皇后になるものだと思っていた。だが、もうすぐ出産という時に、その貴妃の妹も身重だということが判明して状況が一変した。
「それは、おめでたいことですね」
「そうだな。その二人の赤子の父親が、両方とも陛下でなければ、な」
「妹様も、後宮におられたのですか?」
後宮では、何人もの妃が同時に妊娠という事もままあるが、それが姉妹というというのはさすがに気まずいのではないだろうか。
どこか淡々と、天明は話し続けた。
後宮に入ってすぐに身ごもった貴妃は、有頂天になった。彼女が身ごもったのは、陛下の初めての子だったのだ。そのことがさらに、他の妃嬪に勝ったという優越感を彼女にもらたらした。誰もが、彼女が貴妃から皇后になるものだと思っていた。だが、もうすぐ出産という時に、その貴妃の妹も身重だということが判明して状況が一変した。
「それは、おめでたいことですね」
「そうだな。その二人の赤子の父親が、両方とも陛下でなければ、な」
「妹様も、後宮におられたのですか?」
後宮では、何人もの妃が同時に妊娠という事もままあるが、それが姉妹というというのはさすがに気まずいのではないだろうか。