貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「申し訳ありません。今朝から少しお腹が張るような感じがして……」

「まあ。痛みがあるの?」

「でも、先週も何度か痛みましたけれど、たいしたことはありませんでしたから」

「白露、すぐ典医に連絡を」

「皇太后様?」

 急ぎ足で出て行った白露を見送って、紅華は不安そうに振り返る。


「もしかして……」

「おそらくは。いよいよですわ、睡蓮様」

「ええっ?! こ、ここで生まれるのですか?!」

「そんなにすぐには生まれませんよ。これから一昼夜かけて、赤子がゆっくり降りてくるのです」

「一昼夜……」

 睡蓮と紅華があおざめる。確かにそれは聞いていたが、いざその時がくると不安はつきない。そんな二人に、皇太后は微笑みかける。

「大丈夫。私たちがついていますからね。さあ、産室に移りましょう」

「はい」

 よろよろと立ち上がった睡蓮は、皇太后に連れられて出て行った。

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