夜空彩る花火に
涙を零しながら、深夜は微笑んだ。

「……親友、か……確かに、そうなのかもね」

いつの間にか止んだ雨に、俺は傘を閉じる。

「とりあえずさ、何かあったら俺に相談してこい!いつでも相談に乗ってやる!」

俺は、深夜の肩をポンと叩いた。



「深夜、おはよう」

登校中、俺はたまたま深夜を見かけて、俺は声をかける。

「おはよう。そうや!あのさー……」

あれから1か月。深夜は俺と2人きりの時は、三重弁で話してくるようになった。時々分からない言葉が出てくるんだよな……。

この間、深夜が「カエルがな、かんぴんたん(干からびた状態)なっとった」って言った時は「え?」ってなったよ。本当に。

「昨日な、こんなイラスト描いてみたんさ」

そう言って、深夜はスマホを見せる。黒髪に青眼の男の子のイラスト。

「か、可愛い……っ!」

「夏っぽい絵が描きたくてな」

「夏か……そうだ!今度の土曜日、花火大会があるんだ。一緒に来ない?」

俺は、深夜を祭りに誘ってみた。深夜の目が輝く。

「え、行きたい……!」

「分かった!」



今日は、花火大会の日。近くの広場では、沢山の屋台が出てる。

「深夜、はぐれないでよ?」
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